言葉はバンソウコウ
自慢する気なんてない。でも、自分を褒めてくれる言葉は耳に気持ちよく響く。言葉はバンソウコウだ、と思う。この学校に移ってくる前に負った傷を、優しく、そっと、覆ってくれる。前の学校では、言葉はナイフだった。鋭い刃でずたずたに切り刻まれた。だから、あの頃のことは、いまはなるべく思い出さないようにしている。
きみのともだち 重松 清 新潮文庫 p262
images:morgufile
きみのともだち 重松 清 新潮文庫 p262
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タグ:いじめ 生きる 生きていく 家族
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